Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
息を切らして野外ステージまで行くと、見物人があふれかえっている。
「…やっときた。」
遥季が、してやったり顔で満足そうにそう言う。
私は、野外ステージの少し手前で立ち止まる。
あがっていた歓声がぴたりとやんで、ステージは静寂に包まれる。
それにシンクロするように、遥季が静かに語りだした…──。
「…俺、初めてだった。『自分の手で、誰かを幸せにしたい』って思ったの。くだらないこと言い合うだけで、楽しいと思えた。…好きだ、陽依。」
…女の子達から、悲鳴とも歓声ともつかない声が上がる。
私は、ステージの上の遥季をまっすぐ見つめる。
…遥季は、私をまっすぐに見つめ返して、しっかりと頷いてくれた。