Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
「…俺、口下手だし…、言いたいこと、ありずきて…。だから、陽依が褒めてくれた『小説』で、伝えたかったんだ。」
淡いブルーに…
スターチスの花が描かれた表紙をそっと撫でる。
涙で滲んだ視界に、優しくうつる色。
「…俺は、陽依と『これから』を生きていきたい。…陽依と、『前』に進みたい。」
夕都がそう言った瞬間、秋らしい風がさあっと吹き抜けていく。
その拍子に、私が持っていた本がパラパラと音をたててめくれた。
「…っ」
夕都からの思わぬ言葉に、ぽたぽたと本の上に雫が零れ落ちていく。
…偶然か必然か、雫が落ちたページは、主人公の青年が、彼の恋人の死後に出会うひとに、想いを告げる場面だった…──。