Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
「…このまま聞いて?」
夕都の声が、体にじわりと染み渡っていく。
…夕都の香りがする。
「…確かに、釉梨は俺の、初恋の人。だけど…釉梨がいたから、陽依と出逢えた。俺の人生に、釉梨がいる。それだけで…いい。今は、陽依との思い出がほしい。…ワガママで、ごめん。」
夕都の声が、切なく物語る、夕都の本音。
夕都の腕の中で、ふるふると首をふる。
「…俺で、いいの?」
夕都の声が、微かに震える。
私はこくりと頷く。
「…無意識に、釉梨と重ねちゃうかもしれない。…それでも?」
「…意地悪。」
「…俺で、いいの?」
「…じゃなきゃ、とっくに他の王子様探してる。」
私が言うと、喉元で夕都が笑う。
そのあと、夕都は再び、ゆっくりと、愛しむように私を抱き締めた…──。