Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
「あ、ひよりん!」
棗さんとの打ち合わせが終わって、庭をうろうろしていると、たっくんが走ってきた。
「たっくん!来てたんだ?」
「うん、売れ筋とか気になるし、自分の目で、お客さんの反応見たくてさ。」
「…そっか。」
カフェにいるお客さんや、サロンにいるお客さんを外から眺めながら歩く。
そこに…
子供と戯れる、竜くんの姿が見えた。
「あ、竜くん。」
「ほんとだ。」
この施設が出来上がったときに、竜くんだけが関わっていないことに、竜くんはだだっ子のように言った。
「俺だけ仲間外れとかイヤや!なんでもいいから、すること与えてやー…!」
…てことで。
子供連れのひとも、ゆっくりしたひとときを過ごせるように、『芳賀武道塾』なるものが出来上がった。
そこでは、子供達は無料で武道の体験ができる。
私達に気付いたのか、竜くんがぶんぶんと手を振っている。
手を振り返すと、竜くんはまた、楽しそうに男の子と戯れだした。
「じゃ、そろそろ行くね。」
「うん、頑張って!」
たっくんも、ショップの方へと戻っていった。