Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
「…あ…。」
その人は私の顔を見て目を見開いた後、気まずそうな顔をした。
「あの…ごめんなさい、邪魔しちゃったね。出ていくね!」
あわてて私は方向転換しようとした、その時…
「いや、悪いのは俺…だから。朝は、ごめん。」
夕都さんが、そう言った。
「あ、や…気にしてないよ。」
なんだか意外で、私はあわてて返事をした。
立っている夕都さんの手には…
『星川流(ほしかわ ながる)』の本がある。
「あ…それ、『今宵、桜の樹の下で』だよね?いい物語だよね。」
好きな作家の本だから、反射的に喋ってしまった。
「…ごめん、好きだからつい。それ、新刊?」
確か、そのシリーズは2巻までしか出てないはず…。だけど夕都さんが持っているのは3巻だ。