Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
S.Ⅲ 仲間
棗の憂鬱
SecretⅢ
仲間
1.棗の憂鬱
「陽依、忘れ物。相変わらずマヌケなヤツ。」
転校から2週間。
学校にもいい感じに馴染んできたそんなある日。
お昼休み、友香と華とお弁当を頬張っていると、棗さんがいきなり2年の教室に入ってきた。
「…っけほっ…。いきなり現われないでくださいよ!びっくりしてのど詰まらせちゃうじゃないですか!」
私が棗さんに抗議すると、棗さんはフンと鼻で笑う。
「それは陽依がマヌケだからだ。ほらこれ。わざわざ持ってきてやったんだから。じゃ。」
そう言って、棗さんは私の水筒を差し出すと颯爽と帰っていった。
「…もう。まったく冷たい人だよねぇ。」
私が卵焼きを食べながら友香と華に言うと、二人ともポカンと私を見ていた。