Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
夜。
歯を磨こうと思って、洗面所に行くと、先客がいる。
棗さんと…遥季さん?
…こういうとき、まだどうしていいのか分からない。
廊下で立ち往生していると、会話が聞こえてしまった…。
「…棗は、受け入れるのか?」
「…あぁ。受け入れるよ。陽依は陽依だ。『あの子』とは別人だよ。」
「…拓海にもおんなじこと言われたよ。…でも、俺はまだ…。」
「遥季に、無理に受け入れろとは言わないよ。でも、陽依を『あの子』とは重ねるな。」
ドクン、と胸が嫌な音を立てる。
ざわざわと胸が騒ぐ。
また、『あの子』…。
あの子って誰?
私はなんなの?
どういう関わりがあるというの?
グラグラと揺れる足元を必死に踏みしめ、私は音を立てないように部屋に戻った。