Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜




「ひより…。」

教室の入り口でたっくんの声が聞こえたかと思うのと、遥季さんの手が近づいてくるのと、ほぼ同時だった。

覚悟を決めた私は、ぎゅっと目を瞑った。




瞬間、わしゃわしゃと頭を撫でられた。


「…え?」

なにが起きているのか理解できなくて、私は何度か瞬きする。



「…お前、面白いヤツだな。」

まるで新しいオモチャを手に入れた子供みたいに、遥季さんは笑っている。



「…あの、」

「俺にそこまで楯突いた女は…初めてだ。」



相変わらず私の頭を撫でる遥季さんの手を、駆け付けてくれたたっくんが掴む。

「どういう風の吹き回しか知んないけど、俺のひよりんいじめないでよね。」

「別にコイツ、拓海のもんじゃねぇだろ?」

「そーゆう問題じゃないの!」


…次は頭の上で口論が始まった。





< 90 / 329 >

この作品をシェア

pagetop