変わりたい自分に愛をこめて



「690円になります。」

「ママって醤油に変なこだわり持ってるから、探すの苦労しちゃったじゃないの。」



スーパーでズラリと並ぶ醤油の棚を

必死に見つめている私は、十分不審者だったと思う。



「何でこのスーパー、醤油の品ぞろえがこんなに良いのよ!」



そんな愚痴をこぼしながら、スーパーを出ようとすると



「ん?求人?」



自動ドアに求人情報を発見。



「ってこれ、近づくと開くから見えにくいじゃない!なんで開く扉に貼ったのよ!」



しばらく自動ドアと同じように左右に動いていた私は

本当にお客さんから不審者を見る目で見られていた訳だけど。

突っ込みどころの多いスーパーのくせして、その求人の内容は



「あ、割と自給良いし、シフトもそんなに厳しくない!」



ちょっと心ひかれる、



「すみません、あそこの求人なんですけど」



それどころか、とっても魅力的でした。






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