DOORS
お昼休みを終えて、終業時間まで淡々と仕事をこなす。
首元のネックレスに手を伸ばす。
このネックレスを買ってから無意識にこうやって触れる事が癖になっていた。
『役目が済んだらいつの間にか此処へ戻ってくる。』
シルクハットの男の言葉を完全に信用した訳ではないけど、つい確かめずにはいられなかった。
とは言え、ネックレスを買ってから特に変化はなく選択に迫られるような場面があったわけでもなかった。