DOORS


ピンポーン


「はーい。ってあーちゃんかぁ!」


ドアが開くと太陽みたいな笑顔で迎えてくれるのは、佐々木浩平(ササキ コウヘイ)。


実家が近所の幼なじみで同級生。

兄弟のように育ってきたので何でも話せるし、なにより一緒に居て落ち着くので、お互い一人暮らしをしてからも私は良く浩平の家へ来ている。




「はい、ご飯食べるでしょ?」


「うん、ありがと!」


目の前にはフワフワの卵のオムライス。
…ケチャップで"あーちゃん"の名前入り。


「うーん!美味しいっ!」


このご飯の美味しさも私が此処にくる理由のひとつだったり…。


「良かった♪
…髪伸びてきたね?」


言葉と同時に浩平は私の髪を掬い上げる。


「くすぐったいよ。」


「今度切ってあげるね!」


浩平は美容師。
私は彼が美容師になる前からカットやカラーをしてもらっている。



< 16 / 18 >

この作品をシェア

pagetop