DOORS
「えーまだいいよ。」
「だめ!そろそろ俺が限界だもん!」
「あっそ…。」
浩平はそう言いながら楽しそうに私の髪を触る。
こうしていると姉妹みたいだな。
小さい頃は良く姉妹に間違われたっけ。
今も昔も浩平は無駄に可愛い顔をしている。
少しは私にも分けてほしいよ…。
「あーちゃんの髪は触り心地最高だからね〜♪
あっネックレス新しいの買ったんだ?」
「あー貰った。」
「貰った!?だ、誰に?かっか、彼氏出来たの!?」
肩を掴まれて前後にグラグラ揺すられる。
「ちょ…違うから!落ち着いて!」
「…なんだ。でも誰に?」
私はシルクハットの男との事を浩平に話した。