DOORS
「へぇ。不思議な話だね。」
浩平はネックレスを手に取って色んな角度からしげしげと眺める。
私の話を馬鹿にするわけでもなく聞いてくれるとこ好きだな。
だから何でも素直に話せるのかもしれない。
天然だからって事もあるんだろうけど。
「でもいくらタダだからって知らない人から貰っちゃ駄目だよ?
危ない人もいるんだし、ただでさえぼんやりしてんだから。」
「…はーい。」
浩平よりはぼんやりしてないつもりだけど、という言葉をオムライスと共に飲み込んだ。
「でも本当に効果があるといいね!」
「そうだね。」
また彼がネックレスに触れる。
その時石が光ったような気がした。