DOORS


『選択するべきことでも?』


「いえ…ただ選択しなかった方の未来がどんなものなのか興味があって。」


『貴方は面白い方ですね。』


「いい年して夢みたいな事考えるなって言われます。」


つい正直に話したことに今さらながら恥ずかしくなって俯いてしまう。


『そんなことはありません。
貴方のような方だからこそそのネックレスは選んだのでしょう。』


『選択の先の未来を知ってみたいですか?』


「え…?」


『過去を変える事は出来ませんがこれから先、選択を迫られた時にきっとこの鍵が導いてくれるはずです。』


「はぁ。」


現実味のない男性の話に少し怖くなってくる。
高額なアクセサリーを売り付けるような店なのかもしれない。


大体この男が怪し過ぎる…。
今の時代にシルクハットを被ってるだなんて見たことがない。



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