ヤンキー君の恋
ヒヨに向き直って明るい声で呼ぶ。
ふと、時計を見ると5時半。
「そろそろ下に降りるか…」
「うん」
返事はしたもののヒヨを見て名残惜しそうな顔をしている。
しょうがないか……。
「彩花、ヒヨを抱っこできたら下に連れてっていいよ」
そう言うとパァ…と明るくなってヒヨを抱こうとする。
「………平次君。……ヒヨちゃんが抱っこさせてくれない……」
泣きそうな顔で言う。
………やっぱりか。
ヒヨは他の人から撫でられたりするのは平気だけど、抱っこされるのは嫌がる。
多分、ヒヨは怖がってるだけ……。