涙~あのコを見つめる君

1人でトボトボ歩いていると、ケータイからあのメロディーが鳴った。


ディスプレイを見なくても分かる。


この曲は、君と私のお気に入りの曲。


ううん、正しくは君のお気に入りの曲だった。


それを私がマネしただけ。


――ピッ


『……もしもし。』


「あっ!亜巳!いきなりだけど、俺、水野とつき合うことにした。」


君から伝えられたのは、あのコの告白が成功したっていうこと。



『………良かったじゃん!おめでとう!』


ちゃんと言えたかな?


「ありがとうっ!んじゃ俺、水野ん家まで送ってくから!」


『そっか。じゃ、またね。』


―――ピッ


電話を切ると、自然と溢れ出てくる涙。


でも、我慢しようとは思わなかった。

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