ONLOOKER Ⅲ
「紅お嬢さんのご友人の話は、榑松からよく聞いてましたけど……思ってた100倍くらい、厄介事を引き摺り込むタイプが揃ってるみたいですよねー」
「か、落葉松……なんだかしばらく会わないうちに……その、変わったな」
「そうですか?」
「なんというか……刺々しくないか、ちょっと」
「そりゃそうでしょう。」
それまでやけににこにこと食えない笑顔を浮かべていた顔から、すっと表情が消えた。
けれどそれも一瞬のことで、すぐに猫のような目を細めて、苦笑いを見せる。
しかし、それが本心からのものではないことなど、彼らの目から見て一目瞭然だった。
落葉松は古い知人に会いに来たわけではなく、ノエルのマネージャーとして、仕事をしにここへ来たのだ。