ONLOOKER Ⅲ
「仲間はずれになるのがイヤだから明るく振る舞ってねー、それが余計に気にいらないみたいで、ウザがられたりなんかしちゃってね」
結果身に付いたのが、本心を隠してただ飄々と振る舞う今の姿だった。
心の内を曝け出すのは怖い、全部が本気だと思われたくない、全部が冗談だとも思われたくない。
そんな内心の葛藤やら何やらが固まって、次第にどれが本気でどれが冗談か、わからせないような態度を取っていた。
恋宵は、やはり本心のわからない声色でぽつりと話す。
「もうねぇ、どれが本気なんだか自分でもわかんないのよ」
「それは大変ですね」
「ふは、すんごい他人事ねぇ」
「えぇ、まぁ」
無神経で非情で甲斐性のない台詞を吐いて、直姫は恋宵に視線をやらないまま、言った。
いや、正しくは、そんな振りをしていただけかもしれない。