ONLOOKER Ⅲ


「うっとーし……」
「夏生先輩って意外と隙多いですよね。何で誰も本性に気づかないかな」
「ちょっと直姫、それは直姫もでしょ。そんなことより、山崎さんから何か連絡とか、なかったんですか?」
「あったはあったにょろよ? まぁ、忙しいみたいで、メールでちょこっとだけろ」
「え、なんてですか!?」
「うん……あたしね、プロデューサーさんが逮捕されたから引退しちゃうんだと思って、メールしたのね」
「あれ……? でも、通報したのって」
「落葉松さんだよ。警察にちゃんと通報して、マスコミにもリークしてって、提案したのは山崎さんなんだって」
「でもどうして……そんな、自分が不利になりそうなこと」
「引退したかったんじゃない?」


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