ONLOOKER Ⅲ


わかったような、わからないような。
アイドルでいることに疲れたのか、そもそも芸能活動を止めるのか、それはどうしてなのか。
しかし不思議なことに、一番思い悩んで一番傷付いていることを予想していた恋宵は、ただ淡々と乃恵のことを語るだけで、少しもそんな素振りを見せないのだ。

「やりたいことをやるんだって、言ってたにょろ。乃恵ちゃんが好きで選んだんなら、あたしは応援するにゃ」

友達だからね、と言った恋宵の笑顔に、少し驚いた。



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