離れていても
ガラガラッ
「はい、みんな席着いて~」
ガタガタッ
「朝の会を始め…る前にお話があります」
「何何?何の話?」
「はいはい、今から話するから静かに!」
煩くなった教室は、先生の声で静かになる
先生は、ゆっくり口を開く
「優子さんが、今日転校することになりました」
「えっ………」
浩輔は声を漏らした
「前から決まっていたことだけど、優子さんがみんなに言わないでって言ったんです」
次第に教室はまた煩くなってきた
「みんなと離れるのは、お別れを言うのは、悲しいからって………」
「……………。」
浩輔は頭の中が真っ白になった
最近変な感じがしたのは、このことなんだと
今更になって知った
気づけなかった自分が情けない