スペシャルバカノノビシロ
「が…は…」

腹を押さえ、体をくの字に折り曲げ、悶絶する龍二。

彼は痛み以上の衝撃を受けていた。

子供の頃から、簡単にあしらえていた『弱虫の』龍太郎。

喧嘩になっても、いつも最後は龍太郎が泣いて終わるのだ。

自分はこの弟に、苦戦させられる事さえなかった。

だというのに、この目の前に立つ龍太郎はどうだ。

まるでよく似た別人のようだ…!

「き…貴様一体…何者だ…!」

「とっくにご存知なんだろ…?」

怒りに震えながら、龍太郎は呟く。

「穏やかな心を持ちながら、激しい怒りによって目覚めた…あんたの弟だ…!」

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