スペシャルバカノノビシロ
龍太郎とて武道家。

そして相手は実の兄だ。

たかがプリン一つで命のやり取りにまで発展させる気はない。

部屋に戻って、ボロボロの龍二の手当てをする。

「一体何やったらそんなに強くなるんだ、お前…」

おっかなびっくりで龍太郎に問いかける龍二。

顔は絆創膏だらけ、体は包帯だらけ。

まるでダンプカーに撥ねられたような重傷ぶりだ。

「ん、まぁ、ちょっとな」

自分の日々の敗北も、決して無駄にはなっていない。

その事に気づき、龍太郎の表情には笑みが戻っていた。

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