ボーカロイドお雪
『あたしは声が出ないの。喉の声帯が完全に駄目になっていて』
お雪のCGの顔が少し曇ったように見えた。
「そう、それは気が回らなくてごめんなさいね。耳で聞く方は大丈夫なの?」
『耳は何ともない。だからあんたの声はちゃんと聞こえる。』
「じゃあ、わたしは普通に声出して話していいのね。あなたがわたしに何か伝えたい時はPCのキーボードで。それでいい?」
『……いいわ、それで。それであんたは……』
ここでお雪がまた遮る。
「あんた、じゃなくて、お雪。そう名乗ったでしょ?こっちはあなたの名前もまだ聞いてないんだけど?」
『ごめん!あたしは、かすみ。佐倉かすみ』
「じゃあ、かすみ。さっきも言ったように、わたしは自分の意思を持ったボーカロイドなの。かすみはわたしの持ち主になった。そういう事よ」
『一体あんた……お雪にはどんな事が出来るの?』
「直接お話が出来るという以外は、町で売っている他のボーカロイドと機能は同じよ。あ、最初に言っておくけど、わたしは自分で勝手に作詞したり作曲したりは出来ないわよ。あくまで持ち主がインプットしたメロディーと歌詞をわたしの声で再現するだけ。自分で考えて物を言う事は出来ても、作品を自分で作る事は出来ない。そこは科学の限界ね。」
ここまで対話が成立して、やっとあたしは自分がとんでもない物を手に入れたのだ、という事実を理解した。自分の意思を持っていて、持ち主である人間と対等に会話が出来るボーカロイド!コンピューターやソフトウェアの技術がここまで進歩しているとは驚きの一言。
お雪のCGの顔が少し曇ったように見えた。
「そう、それは気が回らなくてごめんなさいね。耳で聞く方は大丈夫なの?」
『耳は何ともない。だからあんたの声はちゃんと聞こえる。』
「じゃあ、わたしは普通に声出して話していいのね。あなたがわたしに何か伝えたい時はPCのキーボードで。それでいい?」
『……いいわ、それで。それであんたは……』
ここでお雪がまた遮る。
「あんた、じゃなくて、お雪。そう名乗ったでしょ?こっちはあなたの名前もまだ聞いてないんだけど?」
『ごめん!あたしは、かすみ。佐倉かすみ』
「じゃあ、かすみ。さっきも言ったように、わたしは自分の意思を持ったボーカロイドなの。かすみはわたしの持ち主になった。そういう事よ」
『一体あんた……お雪にはどんな事が出来るの?』
「直接お話が出来るという以外は、町で売っている他のボーカロイドと機能は同じよ。あ、最初に言っておくけど、わたしは自分で勝手に作詞したり作曲したりは出来ないわよ。あくまで持ち主がインプットしたメロディーと歌詞をわたしの声で再現するだけ。自分で考えて物を言う事は出来ても、作品を自分で作る事は出来ない。そこは科学の限界ね。」
ここまで対話が成立して、やっとあたしは自分がとんでもない物を手に入れたのだ、という事実を理解した。自分の意思を持っていて、持ち主である人間と対等に会話が出来るボーカロイド!コンピューターやソフトウェアの技術がここまで進歩しているとは驚きの一言。