-kizuna-(きずな)
4月に入り、私は市民税課の庶務担当として仕事をこなしていた。毎日、職員の勤務関係の庶務業務や健康保険等の紹介等・・・覚える事が山のようにあった。どんなに忙しくても、一緒にタックを組んでいた上司は出来の悪い私でも、丁寧に教えてくれた。
その甲斐があってか、今はある程度仕事をこなせるようにはなった。彼の励ましが私の精神的な支えとなっていた。これは、本当に有り難い。
4月半ばに入り仕事に区切りがつき、3月13日に亡くなった11年間ずっと苦楽を共にしてきた友理子の御霊前の為自宅に行った。通夜と葬式は身内だけで行い、他の人にはメールなどで親友の訃報を聞いていたと思う。
27というあまりにも突然過ぎて、早すぎた死に私達友人はこれから先、どう立ち直っていったら良いのか分からなかった。「自殺死」と言う事になっているのだから・・・
親友だった友理子は今頃は小宇宙(コスモ)じゅうを飛び回っているのではないかと
今は信じていたい・・・。
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