あなたと私

彼女はもう前を向いていた。

ほっとしたような、残念なような…。

……残念?
いやいや、違う。
違うぞっ!!!!!!


ある意味憂鬱になった、始業式。
教室に帰る頃には、頭がおかしくなりそうだった。





始業式を終え、教室に着く。

「席着け、一応全員出席とるぞ」
「え、今なの??」
「遅いでしょー!!」

などと言う生徒に、まあ最もな意見だが、
「うるせ」
と、だけ答えた。

一番から呼んでいく。

だんだん最後の方になった時。
「望月陽乃(もちづき はるの)」
「はい」

―――ドキ……

目線を生徒に移せば、あの子が手を挙げていた。
透き通るような声は、俺に真っ直ぐ届いて。
簡単に、心臓を掴まれる。

…う、あ…
なんだこれ……

「……先生?」
「え、あっ…あぁ、ごめん。谷島亮太」

望月の声で我に返った俺は、出席をとる。








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