Marry me!
カキーン!
夜空に響く金属音。
仕事終わりにきたのはバッティングセンター。
元野球部主将の血が騒ぐぜ!
モヤモヤした時はここに限る。
フルスイングする度に少しずつ心がスッキリする。
「…全然打てねぇぇぇ!!!!」
空振り、もしくはゴロ。
結果は惨敗。
余計モヤモヤした。
「もう一回だっ!」
バットを手にピッチャーの機械を睨みつける。
視界の端に隣に人が入るのが見える。
「…嘘だろ。」
カキーン。
今日1番の当たりで綺麗な放物線を描くボール。
ホームランといってもいい。
でもそんなのはどうでもいいんだ。
俺は一点を見つめる。
目の前には空振りばかりの彼女が居た。