Marry me!
それからの俺は相当間抜けな顔をしていたと思う。
そして気付けばよりにもよって失恋した事まで話していた。
「そんなにミトの事好きだったんですね。」
鏡越しに微笑む彼女と目が合うと、俺の思考は停止した。
「まだ好きですか?」
何も答えない俺を不思議そうに首を傾げながら見る姿に慌てて意識を取り戻し答える。
「いっいえ!もう全然平気っ!」
髪を切られている事も忘れ、首をぶんぶん振る俺に苦笑いをする彼女。
そしてその姿を見て、また思考停止する俺。
あー…これはあれだな。
鼻歌でも歌いそうな程楽しげに髪を切る彼女を鏡越しに見ながら、俺は確信した。