太陽に恋をした
そしたら、何故か5人は一声に笑い出した。
「なんか、拓真と菜月って漫才コンビみたいだな」
遥斗がそう言ってきた。
「菜月、コンビ組んで一緒に漫才でもやるか」
「やるわけないでしょ」
拓真と漫才なんて、したくないし。
「冗談に決まってるだろ。俺だって、そんなのやりたくねぇよ」
「遥斗の言った事に、わざと乗った訳」
「まぁな」
ふざけた拓真を、あたしは砂浜に押し倒してやった。
すると、愛美達の会話が耳に入ってきた。
「なんか、菜月が羨ましいな。あたしも……あんな風に稲葉くんと話したいな」
「菜月と拓真みたいな関係って、確かに羨ましいって思うよね」
さっきの会話から推測すると愛美は、拓真のことが好きだから……私を羨ましく思っているんだろう。
でも……私は、拓真から女として見て貰えてない気がする。
それが……とても虚しく感じる。
だけど亜希まで、私と拓真の関係を羨ましいと思っていたなんて意外だった。
それに亜希は拓真と普通に話しているから、何で私を羨ましいって思うんだろう?
それより愛美は、これから拓真に告白するんだろう。
私は、亜希たちが集まっている場所へ走った。
「愛美、これから告白するんでしょ。頑張ってね」
私は、愛美に耳打ちした。
「うん、菜月……ありがとう。あたし、頑張
って稲葉くんに気持ち伝えてくるから」