太陽に恋をした
意を決した様子の愛美は、勇気を出して拓真に声を掛けたのが分かる。
拓真が愛美の告白にOKしないことを、望んでいる私は最低だ。
口では、愛美に頑張ってと言ったけど……フラれることを祈るなんて本当に最低だ。
私も、拓真が好きだから……心から愛美の恋を応援するなんて出来ない。
拓真と愛美を二人にするため、亜希と遥斗と3人で先に集合場所に向かうことにした。
「なぁ……菜月」
「……なぁに、遥斗」
「本当にあれで良かったのかよ。お前……拓真のこと好きなんだろう?」
遥斗からそう言われ、ビックリして、私はただ目を丸くするばかりだった。
もしかして……遥斗は私の気持ちに気付いていたの?
「本当は拓真と一緒に居たいよ。でも、愛美も玉砕覚悟で告白するって言ってたから……二人きりにしてあげただけ」
「そっか……拓真はかなり鈍いみたいだから、菜月はかなり苦労することになるだろうな」
「確かに……こんなに近くにいるのに、拓真の存在は遠くに感じちゃうもん」
「それでも、拓真のこと好きなんだろう」
「うん好きだよ。でも私……今のままでも満足してるよ。拓真と話したくても、話せなくて見てるだけの人だって、たくさんいるはずだから」
「それは言えてるかもな。第三者から見れば、菜月と拓真は付き合っている様に見えるからさ」
遥斗が私の隠していた気持ちに、気付いてくれてたことが何故か嬉しかった。
もしかすると……亜希も私の気付いているかもしれない。
気付いていて、あえて何も言わないだけかもしれない。