太陽に恋をした


私は周りが見えているつもりでいたけど……本当はあまり見えていなかったことに気付かされた。

遥斗には好きな女の子いるんだろうか?

今まで、考えたことも無かった。

そういう所……私は全く見てなかったんだと反省した。

すると、今度は亜希に話し掛けられた。

「菜月、今……遥斗と何を話してたの?」

「拓真のことだよ。遥斗は私が拓真を好きだって知ってたみたいだから。あれで本当に良かったのかって聞かれただけ。亜希は私が拓真を好きだってこと知ってた?」

「うん、知ってたよ。だって、菜月はすぐに、顔に出るから分かりやすいもん」

ちょっと待って、亜希が遥斗のことを聞いてきたのは、もしかして……

「間違ってたらゴメン。亜希って……遥斗のこと好きなの?」

「うん、そうだよ。私、遥斗が好きだよ。拓真に負けないくらい、遥斗もモテモテでしょう。顔に出さないようにしてるんだけど、私も恋に悩んでるんだよ」

亜希も、私と同じ様に恋に悩んでいたのか。

今頃……愛美は拓真に気持ち伝えてるんだろうな。

拓真は、愛美の告白を断ったのかな?。

そればかりが、気になってしょうがない。

今の拓真には、バスケしか見えていない気がする。

ちょっと前に、拓真から将来の夢を聞かされた。

拓真はプロのバスケットボール選手になって、オリンピックに出るのが夢だと言っていた。

拓真の夢を聞いた時……可能性はかなり低いんじゃないかと思った。

それでも……私は拓真の夢を応援したいと思った。

亜希は、私の背中をポンポン叩いてきた。

「菜月……一緒に頑張ろう」

亜希は、ただ……その一言を笑顔を浮かべながら私に言ってきた。

「うん、そうだね。遥斗と両想いになれればいいね」

「菜月も拓真と、両想いになれるように頑張ってね」

私と亜希は恋を実らせようと、お互いの恋を応援すると誓った。


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