太陽に恋をした

私と拓真が話している時も、物凄い目付きで睨んでくるし、それに何度も邪魔されたことがある。

その時は、ただ悔しくて唇を噛み締めて、涙を堪えることしか出来なかった。

「あたしね……稲葉くんは菜月のことが好きだと思うんだけど……」

愛美が、いきなり変なことを言い出すから私はビックリした。

「――えっ、なんで?」

「だって……稲葉くんが自分から話し掛ける女の子って、菜月しか居ないんだもん」

「そうかな?私は、そんなことないと思うけど……」

「菜月にだけは、特別な用事がなくても話かけてるでしょ」

確かに……拓真から女子に話し掛ける姿は、ほとんど見たことない。

言われて見れば、私と亜希以外の女子に話し掛ける姿は、あんまり見たことがない気がする。

拓真は私の頭をなでたり、肩に腕を置いて喋ってくるから……それが普通のことになっていた。

拓真は私に普通に話し掛けてくるから、特別な存在とかそんなこと考えたこともなかった。

少しは、期待しても……いいのかな?。

それでも、私は告白する勇気を出せない。

この前決意した通り……拓真とは友達のままでいることを選んだ。

「多分だけど、あたしは稲葉くんは菜月が好きだと思う。稲葉くんが、それに気付いてないだけだよ。菜月も好きなんでしょ。あたしは応援するよ」

「……えっ!?」

愛美は、失恋したばかりなのに……笑顔で私の恋を応援するって言ってくれた。

それが、何よりも嬉しかった。

もしかして、愛美は私の気持ちに気付いてたの?


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