太陽に恋をした

1周目が終わり……私と拓真、亜希と遥斗って組み合わせに変えて、2周目を乗ることになった。

亜希から告白するのかな?

それとも遥斗から告白するのかな?

私は後ろに乗っている二人が気になって仕方ない。

「あのさ……聞いて良い?」

「えっ、別に良いけど何?」

「さっき、遥斗と何を話したの?」

「えっ!?」

拓真からの不意打ちの質問に、言葉が詰まった。

何で、そんなこと聞いてくるんだろう?私のこと友達としか思ってないくせに……。

「気になるの?」

「ちょっとな、遥斗が俺をおしのけてまで、菜月に大事な話があったのかなって思っただけ」

「実は恋の相談だったんよ。遥斗……亜希のことが好きなんだって」

「やっぱり遥斗は亜希が好きだったのか。なんかさ、そんな気がしてたんだよな」

「拓真、遥斗の気持ちに気付いてたの?」

「まぁな……アイツ暇な時は、いつも亜希のこと見つめてたから、普通に気付くよ」

「実は……亜希も遥斗のことが好きなんだよ。さすがに、亜希の気持ちは教えなかったけど、告白頑張れって……後押しはしたよ。亜希も今日、観覧車の中で告白するつもりでいるから」

よほどビックリしたのか、拓真の目は今にも飛び出しそうだった。

「マジで。亜希も遥斗を好きなのかよ!? でも俺、亜希の気持ちには全く気付かなかったよ」

拓真って男の気持ちは分かるけど……女心は分からないってことか?

さっき遥斗の言ってた意味が、ようやく理解出来た。

頂上付近で、後ろの2人が気になり私は振り返って見た。

すると……亜希と遥斗の2人は、キスをしていた。

良かった……上手くいったんだね。

両想いだから結ばれて当然だけど。

2人がカップルになったことが、凄く嬉しかった。

「菜月は……好きな人いないのか?」

私が好きなのは……拓真だよ。

声に出さずに心の中で何度も言った。

「別に、今はいない」

そして……私は嘘をついた。

「そっか。俺も好きな女の子は居ない……俺の恋人はバスケだから」

拓真はまるで、小さな子供みたいに笑顔で語った。


< 26 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop