太陽に恋をした
1周目が終わり……私と拓真、亜希と遥斗って組み合わせに変えて、2周目を乗ることになった。
亜希から告白するのかな?
それとも遥斗から告白するのかな?
私は後ろに乗っている二人が気になって仕方ない。
「あのさ……聞いて良い?」
「えっ、別に良いけど何?」
「さっき、遥斗と何を話したの?」
「えっ!?」
拓真からの不意打ちの質問に、言葉が詰まった。
何で、そんなこと聞いてくるんだろう?私のこと友達としか思ってないくせに……。
「気になるの?」
「ちょっとな、遥斗が俺をおしのけてまで、菜月に大事な話があったのかなって思っただけ」
「実は恋の相談だったんよ。遥斗……亜希のことが好きなんだって」
「やっぱり遥斗は亜希が好きだったのか。なんかさ、そんな気がしてたんだよな」
「拓真、遥斗の気持ちに気付いてたの?」
「まぁな……アイツ暇な時は、いつも亜希のこと見つめてたから、普通に気付くよ」
「実は……亜希も遥斗のことが好きなんだよ。さすがに、亜希の気持ちは教えなかったけど、告白頑張れって……後押しはしたよ。亜希も今日、観覧車の中で告白するつもりでいるから」
よほどビックリしたのか、拓真の目は今にも飛び出しそうだった。
「マジで。亜希も遥斗を好きなのかよ!? でも俺、亜希の気持ちには全く気付かなかったよ」
拓真って男の気持ちは分かるけど……女心は分からないってことか?
さっき遥斗の言ってた意味が、ようやく理解出来た。
頂上付近で、後ろの2人が気になり私は振り返って見た。
すると……亜希と遥斗の2人は、キスをしていた。
良かった……上手くいったんだね。
両想いだから結ばれて当然だけど。
2人がカップルになったことが、凄く嬉しかった。
「菜月は……好きな人いないのか?」
私が好きなのは……拓真だよ。
声に出さずに心の中で何度も言った。
「別に、今はいない」
そして……私は嘘をついた。
「そっか。俺も好きな女の子は居ない……俺の恋人はバスケだから」
拓真はまるで、小さな子供みたいに笑顔で語った。