太陽に恋をした
気持ちが無いなら
夏休みが終わり、二学期になると席替えが行わた。
ずっと隣だった、拓真とは席が離れてしまい寂しかった。
拓真が隣の席の女の子と話している姿を見て、切ない気持ちが込み上げてきた。
ついこの間までは、私が拓真の隣だったのに。
席替えなんて、したくなかったのに……って思ってしまう。
そう思ってるのは私だけなんだろうな……。
「菜月、そんなに好きなら告白すればいいじゃない。前からそう言ってんのに」
亜希から、何度もそう言われるけど……私にはそんな勇気出せない。
他の人話てる途中なのに拓真は何故か、私のところへ走ってきた。
「菜月、何かあった? 今にも泣き出しそうな表情してるからさ」
原因は、拓真が他の女の子と話しているからなんだけど……そんなことは言えるはずもなく、つい黙り込んでしまう。
だから、いつも適当に誤魔化している。
「別に、何でもないよ。拓真……ちょっと気にしすぎじゃない」
「それなら、いいんだけどさ。もし何かあったらすぐに言えよ。相談ならいつでも乗るから」
「うん、分かった」
そう返事をすると拓真は、私の頭をくしゃくしゃと撫でる。
「もう、辞めてよ。髪型が乱れるじゃない」
「いいじゃん。菜月の髪は短いから、ちょっと直せばすぐに元に戻るんだから」
そういう問題じゃないってば――
拓真は無意識でやってるんだろうけど、私にとっては意味があることなんだから……。
もしかしたら、私だけ特別なのかな?
そんな期待を抱かせる行為だって捉えてること、拓真は知らないくせに……。
そういうこと無意識にやってることが、罪だって気付いて欲しいんだけど……。