太陽に恋をした
それを拓真に求めるのは無謀だってこと……分かってる。
だからこそ私は、この気持ちを心の叫びに留めている。でも、それだけじゃない。
私の心の叫びは、他にもある……気持ちがないなら、あんまり優しくしないで欲しい。
勘違いしそうになるから。
拓真の恋人は、バスケなんでしょ。
この前……ハッキリそう言ってたじゃん。
今の拓真を見てると、そもそも、恋愛自体に興味がなさそうに見える。
私が拓真に告白しないのは、単に勇気がないからだけじゃい。
見ていれば、フラれるのは一目瞭然だって分かるからだ。それならば……友達のまま笑顔で一緒に、過ごす方が絶対に楽しいはずだもん。
それに私は……拓真がカッコいいから好きになったんじゃない。
好きになったキッカケは確かに、最初は一目惚れだったんだけど……。
でも、今の気持ちは違う。
好きだからこそ……拓真をカッコいいって想う。
特にバスケをしている時の拓真は、コートの中で誰よりも輝いて見える。
そんな拓真の姿を見ていると、本当にバスケが好きなんだって……気持ちが犇々(ひしひし)と伝わってくるんだもん。
そんなバスケバカの拓真から、バスケを取ったりしたら……ただのバカになちゃう。
だって、勉強嫌いだから成績はいつも下の方。
昼休みさえも惜しいらしく給食を食べ終わると、足早に校庭の隅っこまで行ってしまう。
そこに設置してあるバスケゴールへ行き、雨の日以外は欠かさずシュート練習をしてる。
私もバスケが上手くなりたくて、たまに拓真について行くことがある。