太陽に恋をした
ついて行っても、嫌な顔ひとつすることなく、拓真はいつも的確なアドバイスをしてくれる。
そのアドバイスの効果もお陰もあってか……最近、少しだけ上達した気がするのは気のせいかな?
そんなある日の昼休み。
亜希と遥斗を2人きりにしてあげたくて、私と拓真は屋上へ向かった。
拓真は何故かモジモジしていて、何か言いたそうな雰囲気だった。
「拓真、何か言いたいことでもあるの?」
私は単刀直入に聞いてみた。
「……うん、その―菜月は明日の朝から俺と一緒に朝練やる気ある?」
えっ!? 朝練?ちゃんと起きれるか不安だな……
「嫌ならいいんだけどさ……俺1人でやるから」
「あっ、私も上手くなりたいから、拓真に付き合ってあげてもいいよ」
努力なしでは、上手になるはずがない。そう思った私は自分のために、拓真と一緒に朝練することにした。
だから、私は拓真の誘いに乗った。
「……良かった。俺さ、朝練したいって顧問の先生に頼んでみたら、1人だけ朝練体するんだったら、体育館は開けられないって言われたんだよ。だから菜月に断られたら1人で外で練習するつもりだったんだ」
「なるほどね。そっ、そうだったんだ」
「遥斗は亜希と一緒に登校したいはずだから、朝練に誘える相手は菜月しか居なくてさ……」
「うん、じゃあ明日から何時に来ればいいの?」
「7時半までな。遅れたらジュースをおごってもらうからな」
「はぁ?何それ!」
「アハハ……冗談だって! でも遅れるなよ」
「分かったから」
席が離れて、拓真とゆっくり話す時間が少なくなったから、この誘いはスゴく嬉しかった。
明日から朝練して、私もレギュラーになれるように頑張ろうと思った。
そんな野心が芽生えた。