太陽に恋をした
でっ、でも……2人だけで朝練って、拓真は何をするつもりでいるんだろう?。
2人で出来ることで思い付くのは、フリースロー対決か1on1くらいしかないと思うんけど……。
1on1をやったとしても、あたしが拓真に勝てるはずない。
ちょっとだけでも、他の人より多く練習すればレギュラーになれる可能性は高まる。
拓真に勝つとか、負けるとか、そんなこと関係なく練習は嘘をつかない……きっと、この気持ちが一番大切なんだよね。
何だか悔しいな……それを拓真に教わるだなんて。
拓真もプロになりたいって言ってたから、少しでも多く長く練習したいだけなんだろうな。
努力を積み重ねないと、プロになんてなれるはずないし。
明日から、今までより少し早起きしなきゃいけない。
それが一番辛いかもしれないけど、頑張って早起きした。
約束の7時半前に学校に着いたのに、拓真の方が先に来ていたことに、私は驚いた。
「拓真……ちゃんと朝ごはん食べて来た? 早すぎなんだけど」
「少しだけ、食べてきた。言い出しっぺの俺の方が遅くなるのは嫌だし……」
「負けず嫌いだね。もしかすると拓真が朝ごはん食べて来ないことを考えて、おにぎりを作ってきたから、練習終わったら食べてね」
「マジで?スゲェ嬉しいよ。ありがとうな、菜月」
「それよりも、朝練って何するの?」
「シュート練習と1on1でも、やろうかなって思ってんだ」
「1on1やっても、私が拓真に勝てる訳ないじゃん」
「勝つとか負けるじゃなくて、1on1は菜月にしてみれば……ボールを奪う練習になるかと思ったんた。それが菜月に一番欠けてる部分だからさ」
私の苦手な部分を拓真が見抜いていたなんて……信じらんない。
もしかして、この朝練も私の為?
私の為に朝練出来るように、顧問の先生に頼んでくれたの?。