太陽に恋をした
えっ、悔しかった。それって……遥斗に妬いてるってこと?
拓真でも妬いたりするんだって、思ったら私はちょっと嬉しくなった。
だけど次の瞬間……私はさっきの遥斗と会話していた時の、拓真の一言が頭をよぎった。
『菜月は男友達みたい』
さっきの言葉が、頭の中をよぎると、膨らんだ期待は一気に絶望へと変わった。
「拓真も気付いたなら、遥斗より先に口にすれば良かったじゃん。そんなに悔しがらずに……」
私は切ない感情を押し殺しながら、笑顔で拓真にそう言った。
「そっ、そうだよな。菜月の言う通りだ」
最近の拓真は後輩の女子から、たまに告白されるらしく……すっかり学校の人気者。
予想は出来たことなんだけど、そんな噂を耳にすると胸が苦しくなる。
月日が経つのは早く、二年生のビッグイベント【二泊三日のスキー合宿】が近付いてきた。
スキー未経験の私は楽しみな反面、恐い気持ちもあった。
拓真は家族で毎年、スキーに行ってるらしいから心底楽しみにしてるみたいだ。
拓真は最初から上級者コースで滑るため、必然的にグループは離れることになる
仕方ないけど、やっぱり寂しい気持ちが募る。
亜希と遥斗も、スキー未経験だから、初心者コースからで一緒のグループになった。
「経験者だけど、俺も初心者ってことにしておけば一緒のグループになれたのかな?なんかお前らと離れんの寂しいわ」
「そりゃあ〜、私たちだって拓真と離れんのは寂しいよ。でも、経験者の拓真には初心者コースじゃつまんないじゃない?」