太陽に恋をした

転倒せずに、滑れたらインストラクターの方が『池谷さん、上級者コースへ行ってもOKだよ』と言われた。

だけど……明日は、インストラクター無しの『自由滑走』になっているから、今日中に滑りをマスターしたい。
それもあり、上級者コースへの許可が出たけど、私は今のグループに残ることにした。

今すぐに、上級者コースへ行って怪我でもしたらって考えると……なんだか怖いし。

自信過剰になると、大怪我をする可能性だってあるんだから……。

慣れないスキー靴で、足がパンパンになってるから、今日はこのグループで滑ることを選んだ。

上級者コースへ行かない理由は、実はこれが一番かもしれない。

無事に今日の滑走を終え、バスで宿舎へ移動した。

初めてのスキーで疲れたので、この日の夜はぐっすりと眠れた。

朝目覚めると、せっかく慣れてきたのに……今日の午前中で終わりなんてつまらないなという気持ちが芽生えていた。

昨日と同じスキー場へ向かい、まずは中級コースを一回滑ってから、上級者コースへ行くことにした。

だけど……私は何故かリフトを乗り換えてしまい、いきなり上級者コースへ来てしまっていた。

パニックになった私は、いつの間にかコースを外れてしまったみたいだった。

周りを見渡しても、人の姿なんて見当たらなかった。

心細くなり必死でコースへの道のりを探したけど、なかなか見つけることが出来ない。

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