太陽に恋をした
必死になって探しに来てくれたって聞いた瞬間……私は拓真に惚れ直した。
帰りのバスの中でクラスのみんなから、お前らってなんか兄弟みたいに仲良いよなとからかわれた。
「俺たちが兄弟だとしたらさぁ、菜月がお姉ちゃんだな。だって菜月の方がしっかり者だもん。それに俺……バカだから」
「……」
私は拓真の言葉に頷くことが出来ない。
ついさっき、拓真の優しさに、惚れ直したばかりだっのに……みんなの冗談に本気で返すなんて……兄弟みたいと言われたことを肯定した拓真に私は呆れるしかなかった。
なるべく顔に出さないように笑顔を浮かべたけど、心は沈んでいくばかりだった。
拓真が私に友達以上の感情を抱いていないことくらい、ずっと前から分かっていた。
それに……拓真は私のことを“男友達”みたいだって言ってたんだから。
必死で探しに来てくれたって聞いた時、拓真が顔を赤くしていたから……少しは期待してもいいのかな?と思ったけど。
そう思ってから、こんなに早く打ち砕かれるなんて……。
気持ちが無いなら、優しくしないでよ。
家に着いてから、ずっと堪えていた涙が溢れてきた。
ベッドの中で、声を押し殺すように涙を流した。
私は拓真を嫌いになるなんて出来ない。
そんなの……出来るはずがない。
男友達でも、兄弟でも構わない。
ずっと側にいたい……そう思った。