太陽に恋をした
やっぱり、本当のことが知りたい……
そう思った、私は拓真の目をじっと見た。
「ねぇ、拓真。このチケットどうしたの?」
「あぁ、実は兄貴が彼女と行くつもりで、買ったんだけど、彼女に浮気されて別れたから必要無くなったからって、俺に押し付けてきたんだよ」
「そっ、そうだったんだ。大変だったね」
やっぱり……拓真が買ったんじゃなかったんだ。
勝手な妄想で、喜んだり悲しんだり、私って浮き沈みが激しすぎるな――。
「押し付けられた時、最初は迷惑だって思ったんだけど、菜月がこの映画を見たいって言ってたのを思い出したから、誘ったんだ。だから兄貴には感謝してる」
「何か嬉しいな。学校帰りにポスターを見て見たいなって、呟いただけだったのに、拓真が覚えててくれたなんて」
「たまたまだよ」