太陽に恋をした
拓真は苦笑いを浮かべている。
「わりぃ、もちろん菜月が女だってことは分かってる。だけど……何かと気が合うから、一緒にいると、どうしても感覚が男友達みたいになってしまうんだよ」
「それって……拓真が悪いわけじゃなくて、私に女としての魅力が無いってこと?」
「違うって……菜月には良いところ沢山あるし。それに菜月のこと可愛いって言ってる男子は意外に多いんだぜ。知らないのか?」
「嘘だ! 私……そんな話、聞いたことないよ」
「嘘じゃねぇよ。だから菜月は、もっと自信持っていいんだよ」
そんなこと言われても、肝心な拓真が、私のこと意識してないなら意味ないよ。
私が好きなのは……拓真なんだよ。
このたった二文字が私は言えない。
せっかく勇気を出して、手を繋いでも伝わらないなんて……。
やっぱり、言葉にしないと……拓真には伝わらないのかな?
「あのさ……菜月の好きなスイーツ奢るから、機嫌直してくれよ。それにさっきのは冗談なんだから」
「分かった。じゃあ、チョコレートパフェが食べたいな」
「いいよ。その代わりファミレスだからな」
「ファミレスで充分だよ。それに、あんまり高いスイーツは望んでないし」
嬉しくて喜んだけど我に返ると、食べ物で簡単に許してしまう私は単純だと思った。
今日は本当に楽しい1日だった。
そして私は気まずくなっても構わないと思い、卒業式に拓真に告白する決意を固めた。