太陽に恋をした
入学式が終わり教室へ行くと、隣の席に座っているのは拓真だった。
「菜月おはよう。会うのは卒業式以来だな、また今日から毎日会えるけどさ、春休みに1度も会えなかったのは、ちょっと寂しかったぜ」
「そうだね」
「ねぇ、菜月。2人って付き合ってるの」
後ろの席に座っている清香が変なことを聞いてくる。
「清香、私と拓真は付き合ってないよ。亜希と遥斗は付き合ってるけど」
「なんか仲良しだから、付き合ってるのかなって思って聞いてみただけ」
「あれ?清香と同じクラス。なんか久しぶりだな、一緒のクラスになるの」
「本当だね。純ちゃんとは、中学の時って1度も同じクラスにならなかったのにね」
清香に声を掛けて来た男の子に目を向けると、入学式の前に激突された男の子だった。
「あっ、君も同じクラスなんだ。俺、平岡純(ひらおかじゅん)。よろしくね」
「えっ、純ちゃんと菜月って、既に出会ってたの?」
「俺がちゃんと、前を見ずに歩いてて、前を歩いてた彼女に後ろから激突しちゃったんだ。本当にさっきはごめんね」
「気にしないでください。それから私は池谷菜月。こちらこそよろしくね」