太陽に恋をした
私は、密かに拓真を想うと決意した時……強力なライバルが出現した。
クラスは違うけど、同じ1年生で4組の『佐野香澄(サノ カスミ)』
噂によると、彼女はお金持ちのお嬢様らしい。
佐野さんは、男バスのマネージャーになり、拓真にべったりくっついている。
拓真は迷惑そうな顔をしているけど、佐野さんは、それを全く気にしてない。
何でそんなに一生懸命になれるんだろう。
佐野さんは、本気で拓真のことが好きなんだ。
でも私だって、誰にも負けてない自信はある。
ただ……意気地無しなだけ。
佐野さんも告白は、まだしてないみたいだけど……明らかに態度に出して周囲を威嚇している。
1年生は夏休み前に、学校行事として臨海学校があり、私は亜希・拓真・遥斗と一緒の班になった。
他には、時田愛美(トキタ エミ)草野柚希(クサノ ユズキ)遠藤亮二(エンドウ リョウジ)の七人のグループになった。
みんな、仲良しな方だから楽しくなりそうな予感がした。
「ねぇ……池谷さんと稲葉くんって、本当に付き合ってないの?」
愛美から、そう聞かれてお決まりの言葉を言った。
「付き合ってないよ。拓真とは友達だよ」
「でもさ、稲葉くんから話し掛ける女の子って、池谷さんしかいない気がするんだけど」
愛美から、そう言われたけど……私はそうかな?と思った。
亜希にも、話し掛けてる気がするんだけど。