太陽に恋をした
話題は自然と恋愛の話になった。
「菜月って、稲葉くんのこと好きなんでしょ」
今日出逢ったばかりなのに、清香にズバリ言い当てられてしまった。
「私って、そんなに分かりやすい?」
「うん。分かりやすいよ」
「あっ、清香も分かりやすいよ。平岡くんのこと好きだよね」
「やめてよ。あんな奴、家が隣なだけで、ただの腐れ縁なんだから」
「清香も素直じゃないね」
「そういう菜月だって、素直になって拓真に告白すれば彼女になれるかもしれないのに、何で告白しないの?」
亜希は私に中1の時から、拓真に告白することを勧めていた。
「……実はね、卒業式の日に私、拓真に告白したんだ」
「えっ、嘘、本当に?」
亜希はびっくりして、目を丸くしている。
「うん。勇気を出して告白したんだけど、拓真には告白だってことに気付いて貰えなかったんだ」
「告白だって気付かないって、どういうこと?」
清香はそう言いながら、不思議な顔をしていた。
「私が拓真に好きって言ったら、拓真の返事が『菜月、今さら何言い出すんだよ。俺も菜月のこと好きだぜ。友達なんだから当たり前だろ。菜月とは男友達感覚で話せるから気楽だし。高校行ってもよろしくな』だったの」
「ちょっと、それ有り得ないよ。拓真って鈍感にも程があるよ」