太陽に恋をした
亜希は愛美に、質問した。
「愛美ちゃん、もしかして拓真のこと好きなの?」
「うん、実はそうなの。でも……あたし、拓真くんと話したことないから、見込みなさそうだから諦めるつもりでいる」
「告白もしないで諦めちゃうの。同じ諦めるにしても自分の気持ちをちゃんと、拓真に伝えてからの方がスッキリするんじゃない」
亜希は、愛美に告白することを勧めていた。
「ありがとう小塚さん。お陰で勇気が出たよ」
「亜希でいいよ」
「じゃあ、あたしのことも愛美って呼んでね」
「うん、分かった。菜月も愛美に何か、励ましの言葉を言ってあげたら」
「私のことも、菜月って呼んでいいからね。愛美……告白頑張ってね」
「うん、ありがとう。菜月」
女子は親睦を深めるためにも、みんな名前で呼び合うことになった。
私はまだ亜希にも、拓真に片想いしてることを話してない。
今は友達として拓真の側にいられるだけで、満足しているから告白はしない。
「あたし……臨海学校で稲葉くんに告白しようかな?」
愛美が、そう言った。
「頑張ってね」
私は、自分の感情を押し殺して愛美にエールを送った。
「ありがとう菜月、失恋覚悟の告白だけど頑張るよ」
拓真は告白の相手がどんなに可愛い子でも、美人な先輩だとしても……全て断わっている。
あんな可愛い子なのになんで断るんだろう?
そう思う一方で……拓真が告白を断ったと聞くと、彼女が出来なくて良かったとホッとする自分がいた。