私立聖ブルージョークス女学院
 知っているとは思うが、宮本武蔵は江戸時代の初めに大小両方の刀を同時に使う二刀流で有名になった伝説的な剣豪。「物干し竿」の異名を持つ、とんでもなく長い刀を使い、空を飛んでいるツバメを切り落としたという伝説を持つ佐々木小次郎との巌流島での決闘はあまりにも有名だ。
 そして二人は向かい合い竹刀を構え、両者じっと動かず、だがわずか数秒後、真田は竹刀を降ろし床に正座し、深々と相手に頭を下げながら大きな声で言った。
「参りました!」
 おお!かつて宮本武蔵は御前試合で一撃も剣を交えることなく、相手に「参りました」と言わせたという。武蔵のあまりにも凄まじい気迫に試合の相手が、剣を合わせもしないうちに完全に震えあがってしまい、打ち合いにさえならなかったという。
 しかし、それを見た殿様は、「宮本武蔵は天才であるが故に、あの強さを他人に教える事はできない」と言って、武蔵を藩の剣術指南役に取り立てるのをやめたと伝えられている。
 これはその再現なのか!す、すごい、すご過ぎる。相手校の大将は、そんなにすごい剣士なのか?いや、一度も竹刀を合わせもしないうちに、相手のすごさを悟った真田幸、君もそれほどの腕前だったのか?この現代に、そんなすごい剣の腕前の持ち主が、それも高校生の女の子が、二人もいて僕はその名勝負を目の前で目撃したという事なのか?おおお!僕は今猛烈に感激している。
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