サヨナラをいうまえに
しかし!

リョウスケ先生めっ!!

安藤さんに昨夜のこと話したなーっっ!!



「安藤さん、リョウスケ先生に会ったら言っておいて」


私は口をとがらせてむくれたふりをした。


「寝ぼすけ野郎!ってね」



今日は最高に素敵な1日の始まり。

そう思っていたのに。

最低な1日の始まりになってしまった。

私は布団を頭までかぶった。



「やっぱりちょっと苦しいかも」


「先生に伝えておくね」


安藤さんが伝えるのは、はたしてどちらの言葉なんだろう。

ワゴンを押していく音が遠のいていく。



どこが苦しいのかはわからない。

呼吸が苦しいのか。

胸が苦しいのか。



笹本美優。17歳。

苦しみの中で幸せを感じる変わり者。

……それが私だ。
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