サヨナラをいうまえに

結局、リョウスケ先生が私の病室へ来たのは11:00頃だった。


「あ、ちゃんと大人しくしてますね」


遅れたことの説明なんてナシ。


ベッドのリクライニングを起こしてボーっとしている私を見て、

ほっとしたような声を出した。


言いたいことはたくさんあるけど……。



「先生、時間、ある?」


「え?あー……5分くらいなら」


「オッケー。そこの椅子に座って」


不思議そうな顔をしながらリョウスケ先生が腰をおろす。


私は枕元の棚においてあった牛乳とバナナを差し出した。



「はい、食べて」

< 5 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop