君の記憶
奇妙な同居
俺は、川井之。26歳。
知り合いの娘が川に落ちて、意識不明と聞いて
病院に駆け付けた。
「大丈夫!?」
「…」
いきなり部屋に駆け込んだ俺を見て
彼女は、キョトンとした表情を浮かべた。
「どうしたの?」
「…誰…?」
予想道理の答えだった。
「え…?」
「誰?あなた。」
「僕は…僕は、川井之。」
「かわい…ゆき…」
「之でいいよ。君は?」
「分からない。」
「え。」
「分からないの。全部…自分のことも、家族のことも、家のことも…」
「…じゃぁ、俺ん家来る?」
「え?」
「あ、急だったね;;」
「…」
「行く場所もないし、君さえよければだけど。」
「…はい」
後日、彼女が担任したので、俺の家に連れて行った。
「どうぞ。」
「お邪魔します。」
「自分の家だと思っていいから。」
「…はい。」